がんは誰にとっても他人事ではありません。厚生労働省が発表した令和3年の統計によると、がんで亡くなった日本人は26.5%。3人から4人が、がんによって命を失っていることになり、昭和56年より日本人の死亡原因の第1位となっています。一生のうちにがんに罹患する人の割合は男性が65.5%、女性が51.2%で、じつに2人に1人が、がんになっています。がんは日本人の国民病といっても過言ではないでしょう。
がんによる死亡数を種類別でみると、男性は肺がん、大腸がん、胃がん、膵臓がん、肝臓がんの順で、女性では大腸がん、肺がん、膵臓がん、乳がん、胃がんの順となります。罹患数では男性は前立腺がん、大腸がん、胃がん、肺がん、肝臓がん、女性は乳がん、大腸がん、肺がん、胃がん、子宮がんの順になります。
出典:厚生労働省
令和4年人口動態統計月報年計(概数)の概況
■ がん罹患数の順位(2019年)
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
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総数 | 大腸 | 肺 | 胃 | 乳房 | 前立腺 |
男性 | 前立腺 | 大腸 | 胃 | 肺 | 肝臓 |
女性 | 乳房 | 大腸 | 肺 | 胃 | 子宮 |
出典:国立研究開発法人国立がん研究センター 最新がん統計
■ がん死亡数の順位(2021年)
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
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男女計 | 肺 | 大腸 | 胃 | 膵臓 | 肝臓 |
男性 | 肺 | 大腸 | 胃 | 膵臓 | 肝臓 |
女性 | 大腸 | 肺 | 膵臓 | 乳房 | 胃 |
出典:国立研究開発法人国立がん研究センター 最新がん統計
かつてがんは不治の病とされていました。しかし医療技術の進歩により、今では早期に発見すれば治癒する可能性の高い病気になりました。早期にがんを発見するためには、定期的ながん検診が不可欠です。下記の表からもわかるように、がんが発生した部位のみにとどまっているステージⅠの段階で発見できれば生存率は大きく高まります。
■ 部位別5年相対生存率(全がん協2011-2013年)
部位 | ステージⅠ | ステージⅡ | ステージⅢ | ステージⅣ |
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食道がん | 88.2% | 57.9% | 32.6% | 12.4% |
胃がん | 98.7% | 66.5% | 46.9% | 6.2% |
大腸がん | 98.8% | 90.9% | 85.8% | 23.3% |
肝臓がん | 64.0% | 40.8% | 15.2% | 3.7% |
膵臓がん | 49.8% | 21.6% | 6.9% | 1.9% |
肺がん | 85.6% | 52.7% | 27.2% | 7.3% |
乳がん | 100% | 100% | 88.2% | 41.8% |
子宮頸がん | 93.6% | 82.2% | 67.9% | 26.5% |
子宮体がん | 94.8% | 85.5% | 71.6% | 24.3% |
前立腺がん | 100% | 100% | 100% | 65.6% |
出典:全国がんセンター協議会 全がん協生存率調査
また、一般的にがんは40~50代の中高年以降になると罹患する人が増えてきます。日本におけるがん検診の受診率は低く、特に女性は4割台となっています。男女ともにがんに罹りやすい年齢になったら、がん検診を必ず受けるようにしましょう。
■ がんの罹患年齢
出典:国立研究開発法人国立がん研究センター 最新がん統計
■ がん検診受診率(2022年)
部位 | 男性 | 女性 |
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胃がん (40-69歳) | 47.5% | 36.5% |
胃がん (50-69歳) | 53.7% | 43.5% |
大腸がん | 49.1% | 42.8% |
肺がん | 53.2% | 46.4% |
乳がん | ─ | 47.4% |
子宮頸がん | ─ | 43.6% |
出典:国立研究開発法人国立がん研究センター 最新がん統計