がん細胞は糖分をエネルギーとして増殖します。そこでPET検査ではブドウ糖類似の化合物であるFDG(フルオロデオキシグルコース)と放射性同位元素の18F(フッ素)を合成した18F-FDGという薬剤を使用し、がんを見つけ出します。 18F-FDGを静脈から注射し、全身に行き渡らせるせるために50分ほど安静にすると、がん細胞のある箇所に薬剤が集まります。取り込まれた18F-FDGは、周りの電子と反応して放射線(ガンマ線)を放出します。この状態で、PET装置で全身を撮影すると、18F-FDGの集まっている箇所、つまりがんの位置や大きさが画像となって映し出されるのです。
「PET(がん)検診」とは、健康な人が、がんの早期発見を目的に受診するPET検査です。肺がん検診、大腸がん検診、乳がん検診といった部位ごとの検診と異なり、一度に全身のがんを調べられるというメリットがあります。ただし、PET検査は得意とするがんと、苦手とするがんがあるため、PET検査を補完する検査を組み合わせて行うのが一般的です。
PET検査は万能ではなく、得意とするがんと、苦手とするがんがあります。
■肺がんの症例
PETが苦手とする「がん」を補完的に診断するため、MRI検査や超音波検査、腫瘍マーカー検査などを組み合わせることで、検診の精度を高めています。
※これら総合的な「がん」診断により、一般的な肺がん検診の発見率が0.04%(平成27年度 厚生労働省の報告)であるのに対し、西台クリニックでは0.25%でした。
PETによって約3.5mSv(ミリシーベルト)、同時に行うCT検査で十数mSvの被ばくが伴います。胃のバリウム検査の約4.0mSvよりも多くなりますが、医学的に問題になる可能性は極めて低いと考えられます。
ちなみに、私たちが地球上で1年間に自然界(大地や宇宙からの放射線)から受ける被ばくは、約2.4mSv(国連科学委員会の報告書)とされています。
西台クリックは、日本で初めて一般の方を対象としたPET検診を実施したPETがん検診の草分け的な施設です。検診だけでなく、がん患者様を対象とした保険診療でのPET検査も早くから実施しており、PET検査に必要な薬剤18F-FDGも、施設内の合成装置によって製造しております。これまでのPET検査実績は開院から80,000件を超え、日本国内はもちろん、近年は中国をはじめとする海外からも多くの受診者にご利用いただいております。